紙一重の試合、原監督の采配が一枚上手でした
今日は神宮に行きました。
そして今日は訳あってレフト側。
今日は身を縮こませながら、またお優しい巨人ファンの方々に囲まれながら、割と自由に観戦することができました。
(もちろんベイスターズのユニフォームやタオルなどは持ってきていません)
今日の試合、ベイスターズの先発は阪口投手でした。
今日の阪口投手は、ストレートが走っていて、巨人の各打者からファールを奪えていて、良かったと思います。
四球はあるにしても、ある程度まとまっていて、タイムリーを打たれることはないかなという感じでした。
対する巨人の先発はメルセデス投手。
こちらも立ち上がりは荒れ模様で、いつ崩れてもおかしくなかったと思いますが、
宮崎選手の怪我などもあり、打線が寸断されていたベイスターズ打線では点を取ることが難しい状況だったと思います。
試合が動いたのは3回の巨人の攻撃。
今日の阪口投手のデキと、巨人の打線の巡り的にタイムリーを打たれるようなことはないかなと思っていた矢先、
丸選手、岡本選手の連続ホームランで一気に二点ビハインドとなりました。
こういう試合は一発がゲームを動かすということがよくあると思います。
4回にも一発を浴びた阪口投手は、なんとか3点だけで抑え、中継ぎに繋ぎます。
今日のベイスターズは、中継ぎ投手が圧巻でした。
シャッケルフォード、櫻井、三上、エスコバーと全投手無安打ピッチングで、チームの流れを引き寄せたと思います。
大和&牧の二遊間の好プレーもベイスターズに流れを呼びました。
そしてついにベイスターズにもチャンスが訪れます。
6回の攻撃です。
ツーアウトランナー一塁で打者はソト、相手投手はメルセデスでした。
その打席でソト選手が二塁打を放ち、一発出れば同点のところで、次の打者は山本選手。
山本選手の打撃は悪くはないのですが、まだ及ばないところもあると思います。
そこで三浦監督は代打に伊藤光選手を送ります。
この采配は勝負手として良い采配だったと思います。
代打伊藤光で球場のボルテージも上がり、反撃開始というところで、
原監督は投手交代を選択します。
ベイスターズに流れがいきかけたところで投手交代で時間を空け、ベイスターズの流れを止めました。
結果は伊藤光選手、凡退。
三浦監督も良い采配をしたし、原監督も良い采配をした、しかし原監督の采配が少し上手だった、そのように感じました。
ベイスターズ打線は、中継ぎの好投に応えるように、その後幾度となくチャンスを作りましたが、2点及ばず敗戦。
最後の佐野選手のフェンスギリギリの大飛球まで、ハラハラドキドキが止まらない、そんな試合だったと思います。
面白い試合を見させていただきました。
よかったです。
今回は以上です。
濱口の球速低下の謎【投球数から見るベイスターズ】
今回も投球数の分析を行いたいと思うのですが、
昨日の試合で濱口選手が炎上したことに対して、以下のような記事が出たので、それを主題にしたいと思います。
記事の中では、
普段苦手としている立ち上がりの1回は、2死から小園に遊撃内野安打こそ許したが、無失点で切り抜けた。速球も最速145キロを計測していた。ところが、1点リードの2回に入るとスピードがガクンと落ち、ストレートはほとんどが130キロ台。相手先発投手の玉村に同点適時打を食らうほどだった。
と書かれています。
私が注目した点は球速が低下したことです。
球速の低下は、ほぼ身体機能の低下と同じ意味をなしていると思うのですが、
そこに投球数との関連があるのではないかと思います。
それでは、濱口選手の投球数を見てみましょう。
1~30試合 | 31~60試合 | 合計 | |
濱口 | 605 | 532 | 1137 |
大貫 | 483 | 297 | 780 |
ピープルズ | 0 | 491 | 491 |
阪口 | 381 | 50 | 431 |
京山 | 311 | 73 | 384 |
坂本 | 186 | 172 | 358 |
ロメロ | 0 | 321 | 321 |
入江 | 304 | 0 | 304 |
今永 | 0 | 292 | 292 |
上茶谷 | 288 | 0 | 288 |
中川 | 0 | 229 | 229 |
平良 | 139 | 0 | 139 |
この表は、1~30試合と31~60試合の先発の投球数を分けて集計したものですが、
見てみると、濱口投手の投球数がずば抜けて多いことが分かります。
開幕からローテを濱口選手が唯一守っているから多くなっているということも言えるのですが、
30試合で500球を超える投球数というのは、去年の例を考えると危険な数字なのかなと思います。
1~30試合 | 31~60試合 | 61~90試合 | 91~120試合 | 合計 | |
大貫 | 288 | 390 | 435 | 559 | 1672 |
井納 | 287 | 442 | 330 | 443 | 1502 |
濱口 | 551 | 448 | 349 | 85 | 1433 |
平良 | 519 | 401 | 0 | 433 | 1353 |
上茶谷 | 91 | 230 | 489 | 152 | 962 |
今永 | 500 | 400 | 0 | 0 | 900 |
これは去年の先発の投球数を30試合ごとに集計したものですが、
30試合で500球以上投げた後、平良、今永は故障し、濱口は投球数の減少が起こってしまいました。
30試合で500球以上を投げると、故障や身体機能の低下が起こっていたのです。
今年、濱口投手は、30試合で605球、532球を投げているので、いつ故障や身体機能の低下があってもおかしくないと思っていました。
そして昨日の試合、球速の低下がついに始まってしまいました。
これから故障離脱があるかは分からないですが、もし故障がなくとも球速低下で成績が悪化することは予想できる状態だと思います。
国吉選手の放出で更なる先発陣の奮起が期待されるところですが、
先発に投げさせすぎても弊害はあるのかなと思います。
昨日、今日で平田選手、京山選手が3イニングを投げ、第二先発的な起用がありましたが、
先発を大事に扱わなければ、故障や身体機能の低下が起こるという心配から、第二先発の戦法もまだまだ必要なのかなと思いました。
今回は以上です。
国吉の穴をどう埋めるか【投球数から見るベイスターズ】
今回は、投球数に関した分析を行いたいと思うのですが、
その中でも今回は国吉選手の穴をどのように埋めるのかということを主題にしていきたいと思います。
過去の投稿を参照させていただきます。
まずは、1~60試合のベイスターズの中継ぎ投球数を見ていきたいと思います。
1~30試合 | 31~60試合 | 合計 | |
石田 | 271 | 272 | 543 |
国吉 | 154 | 334 | 488 |
山﨑 | 214 | 221 | 435 |
平田 | 173 | 247 | 420 |
三上 | 140 | 225 | 365 |
三嶋 | 144 | 220 | 364 |
砂田 | 158 | 179 | 337 |
エスコバー | 77 | 237 | 314 |
伊勢 | 169 | 78 | 247 |
櫻井 | 150 | 0 | 150 |
中川 | 28 | 85 | 113 |
シャッケルフォード | 26 | 83 | 109 |
風張 | 86 | 0 | 86 |
池谷 | 72 | 0 | 72 |
笠井 | 40 | 0 | 40 |
以上は、投球数を1~30試合と31~60試合に分け、その合計を集計したものです。
これを見る限り、第二先発を務めていた石田、国吉両選手の存在感が大きかったことが分かります。
石田、国吉は投手起用の中心だったのです。
その中心であったはずの国吉選手を放出したとなると、これは投手起用に大きな穴になること間違いなしであることが分かると思います。
しかし、その大きな穴を開けてでも進めたいチームとしての方針があってこそだと思うので、何かを得れば何かを失うでしょうがない面もあるのかなと思います。
四球が少なくストライクゾーンで勝負する投手を揃えたい、または第二先発に頼らない先発陣を構築したいというチーム方針を進めることができる一方で、
国吉選手の放出で投手起用に大きな穴が空いたことも事実で、その解消は別途必要だと思います。
その解消策として考えられることは、先発陣の奮起だと思います。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
濱口 | 95 | 126 | 94 | 105 | 112 | |
ピープルズ | 92 | 68 | 86 | 98 | 91 | 56 |
ロメロ | 82 | 86 | 87 | 66 | ||
大貫 | 69 | 84 | 83 | 61 | ||
今永 | 93 | 92 | 107 | |||
中川 | 66 | 73 | 90 | |||
坂本 | 13 | 70 | 89 | |||
京山 | 73 | |||||
阪口 | 50 |
上の表は、31~60試合の先発の投球数を集めたものです。
この表を見ると、この30試合の中で100球以上投げた投手は、濱口、今永の4例のみだったことが分かります。
これはいくら何でも少なすぎるように思います。
第二先発の国吉、石田両選手に頼り切りな先発陣だったと思います。
今まで国吉選手に頼りきりだった分、何とかここは先発陣に奮起してもらって、国吉選手の穴を埋めて欲しいところだと思います。
国吉選手の放出があっても、まだ石田選手の存在があり、また櫻井選手もブルペンで控えているので、第二先発の投手起用が全くなくなることはないと思いますが、
以前までのように第二先発の投手起用を中心に据えることは難しいのではないかと思います。
そこで先発に頑張って欲しいと思います。
投球数を見ると、国吉選手のトレードによる損失は思った以上に大きく、今シーズンのこれからを考えるとチームが厳しくなるようにも思いますが、
それでも投手起用の根本は先発投手で、国吉選手が務めた第二先発はその補助的な役割なので、先発投手が独り立ちすれば何も問題はないと思うので、
なんとか先発投手に独り立ちして欲しいところだと思います。
なんとか先発投手に頑張って欲しいと思います。
今回は以上です。
国吉放出、有吉獲得から見えるベイスターズの方向性
みなさん、こんにちは。
今回、本当は前回の投稿で示した投球数を使って分析を行う投稿にしたかったのですが、最近あまり時間が取れなかった関係で少し延期とさせていただきます。
そして今回は、国吉選手のトレードを題材とさせていただきたいと思います。
先日6月14日に国吉選手と、ロッテの有吉選手の間で交換トレードが決まりました。
国吉選手と言えば、1週間前の西武戦でも登板しており、いきなりのトレードに驚かさた方も多いと思います。
国吉選手は、昨シーズンまでは勝ちパターンでの登板も多く、ブルペンの中心的存在であったと思います。
しかし今シーズン与えられた役割は、先発がノックアウト寸前になった時に投げる第二先発のような役割でした。
以上の投稿に示した通り、国吉選手は勝ちパターンでなくても、第二先発としての登板でチームを勝利に導くことが多く、そしてその第二先発がベイスターズの投手起用のキーになっていたと思います。
しかし一方で第二先発の役割を担うことで国吉選手個人の成績が悪化した側面があって、
上の投稿に示した通り、第二先発として多くの打者を相手していくと、必ず苦手な打者にあたってしまい、その打者との対戦を強いられることから成績悪化が起こったように思います。
今年の国吉選手の成績は、
防御率5.16 奪三振率11.22 与四球率3.94 被打率.224
です。
高奪三振率・高与四球率の特徴はさることながら、
この奪三振率と被打率を考えると、この防御率は考え難く、実力以上に成績が悪くなってしまっていることが分かると思います。
この成績の伸び悩みがトレードの要因の1つだったのかなと思います。
これはロッテ側が国吉選手を欲しがった理由にあたります。
では一方で、なぜベイスターズ側が国吉選手の放出を許したのか、
それは国吉選手の与四球率が高いという理由と、第二先発を基本戦術としてしまっている現状を変えたかったということがあると思います。
以上の記事から引用すると、
「試合を作れる先発投手だということ。それから四球の数が極めて少ないという中で、いわゆるゾーン内できっちりと勝負をしながら打ち取っていく投手であると聞いています。先発投手というところがチームのウィークポイントでありますので。そういうところを兼ね合わせて獲得させていただきました」
これは、三原球団代表の有吉選手への評価ですが、
重要な点は、四球の少なさとゾーン内で勝負できるという点です。
与四球率が高く、ボールゾーンで空振りを奪う変化球を多用する国吉選手を放出し、四球が少なく、ストライクゾーンで勝負する有吉選手を獲得する、
投手には四球が少なく、ストライクゾーンで勝負して欲しいというベイスターズの球団としての方針がここに如実に表れていると思います。
そして有吉選手が先発投手であることも重要な点であると思います。
第二先発のような使われ方をしていた国吉選手を放出し、先発投手の有吉選手を獲得する、
ここには球団として第二先発を基本戦術としている現在のチームに疑問を投げかける、そんな意味合いがあると思います。
第二先発としてであっても、チームの主力として1週間前まで投げていた投手を放出することには、それなりの意味があると思います。
もしかしたら、これから三浦ベイスターズの采配がまた変わっていくのかもしれません。
第二先発要員としては、国吉選手の他にも石田選手や櫻井選手などいるので、急に第二先発がなくなってしまうことはないと思いますが、
中長期的に第二先発に頼らない先発陣の構築を目指していこうという球団の方向性は、このトレードを通して見えてくると思います。
そしてそこに三浦監督が目指す、先発に長い回を投げて欲しいという考えが絡んできている、そのように思います。
国吉選手の放出で、悲しむファンの方も多いと思いますが、
個人的には第二先発の采配を根底から覆す出来事だったので、これから采配がどのように変わっていくのだろうという、好奇心にも似た気持ちでいます。
案外、采配も今まで通りになる可能性もありますが、もしかしたら一転するかもしれない、そのような気持ちでいます。
どうなるのでしょうか、シーズン再開が楽しみです。
今回は以上です。
投球数から見るベイスターズ 31~60試合【データ保存用】(スマホ非推奨)
今回は、31~60試合のベイスターズの投球数のデータだけを載せる投稿にしたいと思います。
なぜデータだけなのかと言うと、
とりあえずデータを見てもらって楽しんでもらおうという目的もあるのですが、
このデータを基にこれからの投稿で分析を施していこうと思っていて、そのソースとして1回示しておこうと思うので、
データだけの投稿とさせていただきます。
以下の表は、31試合~60試合の投球数を先発と中継ぎに分けて示したものです。
31試合~60試合の試合は、正確には4月30日~6月8日の試合のことを指します。
以下の表では、この31試合~60試合で、先発と中継ぎをそれぞれ投球数の合計が多かった順に並べています。
先発の場合、登板ごとの平均投球数も割り出したので、どの先発がどれだけのスタミナがあるのか、あるいはどれだけ投げすぎているのかを分かるようにしています。
また、表の一番上の行に書かれている、「1」や「2」といった数字は、31~60試合の中で何登板目であるかを表していて、
その下に書かれているそれぞれの数字は、その登板目で投げた投球数を表しています。
例えば、濱口の場合、「1」の下に書かれている「95」という数字は、濱口投手が31試合~60試合の中の「1」登板目で「95」球を投げたことを表しています。
・先発
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 合計 | 平均 | |
濱口 | 95 | 126 | 94 | 105 | 112 | 532 | 106.4 | |
ピープルズ | 92 | 68 | 86 | 98 | 91 | 56 | 491 | 81.8 |
ロメロ | 82 | 86 | 87 | 66 | 321 | 80.3 | ||
大貫 | 69 | 84 | 83 | 61 | 297 | 74.3 | ||
今永 | 93 | 92 | 107 | 292 | 97.3 | |||
中川 | 66 | 73 | 90 | 229 | 76.3 | |||
坂本 | 13 | 70 | 89 | 172 | 57.3 | |||
京山 | 73 | 73 | 73.0 | |||||
阪口 | 50 | 50 | 50.0 |
・中継ぎ
シャ→シャッケルフォード
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 合計 | |
国吉 | 34 | 25 | 34 | 32 | 37 | 19 | 21 | 33 | 32 | 32 | 22 | 13 | 334 | |||||
石田 | 35 | 39 | 15 | 22 | 17 | 11 | 12 | 28 | 19 | 21 | 21 | 14 | 18 | 272 | ||||
平田 | 29 | 6 | 31 | 48 | 40 | 8 | 31 | 54 | 247 | |||||||||
エス | 17 | 8 | 11 | 13 | 5 | 14 | 11 | 13 | 9 | 13 | 26 | 29 | 11 | 14 | 23 | 10 | 10 | 237 |
三上 | 28 | 13 | 18 | 14 | 9 | 8 | 17 | 11 | 3 | 12 | 13 | 13 | 13 | 3 | 19 | 24 | 7 | 225 |
山﨑 | 10 | 10 | 21 | 12 | 18 | 13 | 21 | 18 | 10 | 24 | 13 | 10 | 14 | 27 | 221 | |||
三嶋 | 7 | 11 | 14 | 10 | 22 | 14 | 17 | 7 | 32 | 16 | 12 | 10 | 14 | 10 | 24 | 220 | ||
砂田 | 22 | 14 | 19 | 5 | 13 | 6 | 31 | 16 | 11 | 4 | 8 | 6 | 12 | 12 | 179 | |||
中川 | 85 | 85 | ||||||||||||||||
シャ | 23 | 14 | 15 | 10 | 21 | 83 | ||||||||||||
伊勢 | 9 | 16 | 53 | 78 |
中継ぎの表は、表が長くなってしまった関係で見にくくなってしまいましたが、とりあえずのデータ保存用なのでご容赦ください。
また中川選手は、先発での登板も中継ぎでの登板もあったのですが、
先発の投球数で平均を出している関係で、先発時の投球数と中継ぎ時の投球数で分けて集計しました。
次回からこのデータを用いて色々分析をしていきたいと思います。
今シーズンの1~30試合の投球数のデータや、昨シーズンの投球数のデータとも合わせて分析をしていきたいと思うので、その時々で過去の投稿を参照していきたいと思います。
また、セリーグ6球団全てが60試合に到達したら、他球団の投球数との比較も行いたいと思うので、それもお楽しみにしていただければと思います。
今回は以上です。
高奪三振率・高与四球率の石田、国吉、平田について
今回は、前回の続きで中継ぎについて書きたいと思います。
前回の投稿では、低奪三振率・低与四球率の山崎康晃、砂田、三上が、カウントを取る変化球の割合を増やしていて、そして成績的にも復活しているということを書きました。
今回はそれとの対比で、高奪三振率・高与四球率の石田、国吉、平田について書きたいと思います。
まずは、この3選手の奪三振率と与四球率を示したいと思います。(6月6日終了時点)
石田 奪三振率:10.16 与四球率:4.45 K/BB:2.67
国吉 奪三振率:11.28 与四球率:4.44 K/BB:2.75
平田 奪三振率:8.41 与四球率:4.43 K/BB:1.90
データを見ると、3選手とも高い奪三振能力があるにも関わらず、四球が多く、苦戦しているという現状であることが分かります。
この高奪三振率と高与四球率の背景にあるのが、空振りを奪う変化球を軸とした投球スタイルだと思います。
この空振りを奪う変化球を軸とした投球スタイルは3選手共通していて、
具体的には、
石田の場合、チェンジアップとスライダー、
国吉の場合、カットボールとフォーク、
平田の場合、スライダーとフォーク、
が投球の軸となっている空振りを奪う変化球にあたります。
国吉選手に関して、カウント球になるはずのカットボールを空振りを奪う変化球としていることに疑問を持った方もいると思いますが、
国吉選手のカットボールは、カットボールにしては曲がりが大きく、カウント球というより空振りを奪う変化球と見なすべきだと思い、空振りを奪う変化球としました。
これら空振りを奪う変化球が投球の軸となっていることをデータで示したいと思います。
上記のサイトを参考にすると、各変化球の全体の投球数に占める割合は、
石田の場合、チェンジアップ(21.67%)、スライダー(30.61%)、
国吉の場合、カットボール(43.07%)、フォーク(11.13%)、
平田の場合、スライダー(33.61%)、フォーク(12.02%)、
となっています。
空振りを奪う変化球を投げる割合は、概ね50%で、投球の約半分が空振りを奪う変化球になっており、3選手とも空振りを奪う変化球を投球の軸としていると言えると思います。
次に、空振りを奪う変化球を軸とした投球スタイルと、高奪三振率・高四球率との関係ですが、
空振りを奪う変化球は基本ボールゾーンに投げるので、それを打者が振るか振らないかが、投球の重点になっていて、
空振りを奪う変化球を打者が振れば三振に繋がり、打者が振らなければ四球に繋がるようになり、高奪三振率・高四球率になったのではないかと思います。
簡単に表すとこのような関係が成り立っていると思うのですが、
この3選手の大きな問題として、その空振りを奪う変化球主体の投球は去年も行っていたにも関わらず、なぜ今年に入って苦戦し始めているのかということがあると思います。
なぜ今年に入って苦戦し始めているのか、3選手それぞれに個別の理由があると思うのですが、
3選手共通の原因の一つとしては、采配があると思います。
この3選手は、去年はワンポイント起用が多かったですが、今年に入ってから1イニングを任されることが多くなり、またそれどころか回跨ぎをすることも多くなっています。
1イニングまたは回跨ぎをするようになると、必然的に苦手なタイプの打者との対戦も多くなり、空振りを奪う変化球を投げてもボールとして見送られることが多くなり、
カウントを悪くするとストライクを取りにいき痛打されるという負の連鎖が起きているように思います。
この1イニングまたは回跨ぎをさせる采配が、この3選手の成績を悪化させた側面はありますが、
一方でチーム全体のことを考えるとその采配が必要だったとも言えると思います。
過去の投稿で、石田、国吉が務める第二先発が投手起用のキーになっているということを書いたのですが、
第二先発などの回跨ぎをさせる采配がチームの勝利に繋がっていると思います。
石田、国吉、平田の3選手に1イニングまたは回跨ぎをさせる采配は、それぞれ個人の成績を悪化させてはいるが、チームの勝利には繋がっている、そのような采配であるのかなと思います。
最後にまとめると、
石田、国吉、平田が高奪三振率・高四球率である背景には、空振りを奪う変化球を軸とした投球スタイルがあるということ、
そしてその投球スタイルが今年に入って通用しなくなってしまった原因には、采配が関係しているが、
その采配によって個人成績が悪化してもチームの勝利には貢献している。
石田、国吉、平田については、このような状況なのではないかと思います。
今回は以上です。
低奪三振率・低与四球率の山崎康晃、砂田、三上は、今シーズンからカウントを取る変化球の割合が増えた
今回は、中継ぎについて書きたいと思います。
中継ぎについては、このブログでは以下のような投稿もしており、今回の内容にも関係する投稿なので、掲載させていただきます。
今シーズンに入って、ベイスターズの中継ぎで復活した投手が3人いると思います。
その3人とは、山崎康晃投手、砂田投手、三上投手です。
この3人にはある共通した特徴があります。
それは、低奪三振率・低与四球率です。
実際にデータを示すと、(6月6日終了時)
山﨑 奪三振率:6.99 与四球率:2.22 K/BB:4.40
砂田 奪三振率:6.95 与四球率:2.45 K/BB:2.83
三上 奪三振率:6.55 与四球率:1.64 K/BB:4.00
三振はあまり奪えていないが、その代わりにフォアボールを与えていない。
この背景には、この3選手がカウントを取る変化球を本格的に投げ始めたということがあると思います。
カウントを取る変化球というと、
砂田の場合、カットボール、
三上の場合、カットボール、
がそれにあたります。
これらカウントを取る変化球の割合が増えたことをデータで示したいと思います。
山崎康晃投手のデータについては、小さなツーシームも大きなツーシームも同じものとして集計されており、少し分かりづらいので、
砂田投手と三上投手のデータを取り上げたいと思います。
上記のサイトを参考にすると、
砂田のカットボールの割合は、5.71%(2020)→10.65%(2021)、
三上のカットボールの割合は、6.51%(2020)→11.6%(2021)、
となっています。
カウントを取る変化球の割合が昨年のほぼ2倍となっているのです。
山崎康晃投手に関しては、各種記事に取り上げられている通り、
小さなツーシームを開幕から投げているので、データでは確認できませんが、しっかりとカウントを取る変化球の割合は高くなっていると思います。
次に、カウントを取る変化球の割合が増えたことと、低奪三振率・低与四球率との関係性ですが、
カウントを取る変化球でどんどんストライクゾーンで勝負することで、打者との決着が早くつくようになるので、低奪三振率・低与四球率になったのではないかと思います。
上のこのブログの過去の投稿では、2020年シーズンにベイスターズ中継ぎ陣の間で空振りを奪える2種類の変化球を投げる傾向が出てきたということを書いたのですが、
今シーズンに入って、カウントを取る変化球を投げるという新たな傾向が、ベイスターズ中継ぎ陣の間で出てきているのかなと思います。
また、上の過去の投稿では、
2種類の空振りを奪える変化球を投げる三嶋、石田、国吉、平田、伊勢、砂田、三上が活躍し、
空振りを奪える変化球を1球種しか投げれない山崎康晃、パットンが活躍できなくなっている、
ということを書いたのですが、
今シーズンに入って、昨年と投球スタイルが変わらない石田、国吉、平田、伊勢はかなり苦しい投球が続いていて、
逆に投球スタイルを変えた山崎康晃、砂田、三上が復活しており、その様子はかなり興味深いと思います。
毎年1流のプロ野球選手は変化を目指してオフを過ごしていますが、常に変化をしていないと取り残される、そのような世界がプロ野球の世界であるということを改めて実感しました。
今回は以上です。