井納選手の流出と、先発のケガ問題について(投球数から見るベイスターズ・先発編)
今回も投球数からベイスターズを考察していきたいと思うのですが、今回は特にベイスターズの先発陣の投球数について、深堀りしていきたいと思います。
1~30試合 | 31~60試合 | 61~90試合 | 91~120試合 | 合計 | |
大貫 | 288 | 390 | 435 | 559 | 1,672 |
井納 | 287 | 442 | 330 | 443 | 1,502 |
濱口 | 551 | 448 | 349 | 85 | 1,433 |
平良 | 519 | 401 | 0 | 433 | 1,353 |
上茶谷 | 91 | 230 | 489 | 152 | 962 |
今永 | 500 | 400 | 0 | 0 | 900 |
坂本 | 81 | 0 | 319 | 376 | 776 |
ピープルズ | 276 | 166 | 157 | 0 | 599 |
京山 | 0 | 0 | 285 | 197 | 482 |
阪口 | 0 | 105 | 59 | 88 | 252 |
武藤 | 0 | 45 | 52 | 55 | 152 |
中川 | 94 | 0 | 0 | 0 | 94 |
平田 | 0 | 0 | 0 | 85 | 85 |
櫻井 | 72 | 0 | 0 | 0 | 72 |
パットン | 0 | 0 | 53 | 0 | 53 |
伊勢 | 0 | 41 | 0 | 0 | 41 |
上のグラフは、昨シーズンのベイスターズの先発の投球数をまとめたものです。
オープナーとして先発した選手の投球数を含めて全ての先発の投球数をまとめました。
また30試合ごとに投球数を集計し、その変化を考察できるようにしました。
このグラフを作成してみて、気になった点が二点あります。
一つ目の点は、井納選手が抜けた穴は思ったより大きいということです。
井納投手は、去年ほぼ1年間先発ローテーションを守り、大貫選手に次ぐチーム2位の投球数を投げました。
先発陣の故障の続出により出番が多く回ってきたことや、登板間隔を空けて大事に起用されたがゆえに怪我になることなく、この投球数になったという側面は否定できませんが、
チーム2位の投球数を投げたという実績は確かだと思います。
井納選手の流出に関して、今永選手や東選手の手術からの復帰や、若手先発陣の成長を期待して楽観視する見方が多くありますが、
今永選手や東選手が手術前のパフォーマンスに戻せるのか、若手先発陣が本当に1軍レベルまで成長できるのか、少し未知数であることは否めません。
昨年、先発陣が故障で離脱する中で先発ローテーションを守ってきた井納選手の流出は、思った以上に痛いと言えると思います。
ではなぜ井納選手を流出しなければならなかったのか、それはコロナ禍での球団の経営事情も関係していると思いますし、致し方ない面もあったのかなと思います。(当ブログの過去記事参照)
二つ目の点は、先発陣の故障についてです。
グラフでは、30試合の中で500球以上の投球数を記録した値を赤く表示しました。
赤く表示した理由は、大貫選手が90~120試合の時に計測した559球を除く、30試合の中で500球以上を計測した事例では、その後に故障や投球数の低下が見られたからです。
例えば、1~30試合の時に500球以上を計測した平良選手や今永選手は、その後故障により長期離脱を余儀なくされました。
同様に1~30試合の時に500球以上を計測した濱口選手の場合、その後も故障なく投げることはできましたが、
551球→448球→349球→85球
と、徐々に投球数を投げれなくなっていることが分かります。
濱口選手の実際の投球を見ていても、シーズン中盤から終盤にかけてストレートの球速が出なくなり、投球に苦しんでいたように感じます。
ここで考えられることは、先発に関して個々人の投球数には限度があるのではないかということです。
先発に多くの回を投げさせて中継ぎ陣を休ませることは重要ですが、先発に過度に投げさせると、
シーズン中に故障やパフォーマンスの低下が起きてしまう可能性が高くなると思います。
先発の故障やパフォーマンスの低下は、シーズン全体の戦略に大打撃を与えますし、気をつけねばならないことであると思いました。
この先発陣の問題に、三浦監督や投手コーチ陣がどのように立ち向かっていくのか、楽しみな気持ちでいます。
今回の話は以上です。
次回は、ベイスターズの中継ぎ陣について投球数から考察していきたいと思います。