ベイスターズを感じる

ベイスターズについて感じたままを書いています。

新鮮味あふれるラミレスのDHに対する考え

今回は、ラミレス前監督の記事が面白かったので、その紹介をしたいと思います。

以下がその記事です。

news.yahoo.co.jp

この記事は、ラミレス前監督がDHについて語った記事で、その考えが従来のものとは異なり新鮮で面白かったです。

 

ここからは、記事を引用して紹介したいと思います。

 「現在、話題になっている『セ・パ間格差』について、DH制との因果関係は当然あると思いますね。パ・リーグの場合は投手が打席に立つ必要がない。じゃあ、その代わりに誰が打席に立つのかといえば、強打の外国人選手が入ることが多い。セ・リーグは打撃が劣る投手がバッターボックスに立ち、一方のパ・リーグは打撃に勝る強打者がひとり増える。それは攻撃力の大幅アップにつながりますよね」

これはラミレス前監督が語ったものです。

ここで語られているのは、DHによって強打者が増えることで投手には高いレベルが要求されるようになり、打者もそのレベルが高い投手から打とうと必死にレベルアップし、リーグ全体のレベルが上がっていくという考えです。

DHが投打ともにレベルアップを促進させていくのです。

 

ここまでは一般的なDHに関する考え方ですが、2つ目の考えはラミレス独自だなと感じました。

 セ・リーグの場合は、選手の起用人数が多くなりがちなんです。たとえば、試合中盤になって、チャンスの場面で先発投手に打席が回ります。ここで代打を起用し、そのあとに守備位置を変更しようとしたら、代打を使うだけでなく、別の選手を守備に起用するダブルスイッチが必要になって、一気に多くの選手を使うことになります」

 続いて

 セ・リーグの場合、試合終盤になると選手が足りなくなることがしばしばあります(笑)。でも、パ・リーグは最後の最後まで選手を温存できるから、ここぞという大事な場面で足のスペシャリストを代走に起用したり、守備の名手を守備固めに起用したりしやすくなる。この点もセ・リーグパ・リーグの違いになっていると思います」

 ここでは、パリーグの場合、DHで投手が打席に立たないことにより、ベンチ入り野手の制限が少なくなり、より柔軟な控え野手の運用ができるということが語られています。

DHがある場合、控え野手の代打は比較的少なく、控え野手の打撃の重要度は下がり、すると控え野手には守備・走塁が求められるようになります。セリーグでは1軍に帯同しづらい選手でもパリーグでは走塁や守備のスペシャリストとして1軍に帯同できるようになるのです。

そのため、DHがある方が控え野手のバラエティが豊富になりやすく、攻め方や守り方の作戦の幅が広がることが考えられます。

控え野手の運用の目線からDHが語られることは珍しいと思います。

 

またその流れで

 「ピッチャーが打席に立つことによって、重要な場面で代打を送るのか、バントをさせるのかを判断しなければならず、代打起用の際にはその次の守備をどうするのかも考えなければいけません。複雑な戦略は野球の見所です。だから、私はセ・リーグのDH制導入は賛成ではありません。リーグ間で、それぞれ違うシステムを採用している現状のままのほうが、さまざまな野球を楽しめると考えるからです」

 とも語っています。

ここでは、セリーグの場合、DHがないがゆえに代打や守備交代などで複雑な采配が要求されると語られています。

DHがあるがゆえにバラエティ豊富な采配が”できる”パリーグと、DHがないがゆえに複雑な采配を”しなければならない”セリーグの関係はかなり面白いと思います。

またラミレス前監督は、リーグごとにDHのありなしを分けることで、さまざまな野球を楽しめるので、セリーグのDH導入論には反対であるとしています。

この楽しさを重視した反対の根拠もラミレスっぽくて良いなと思いました。

 

ラミレス前監督の一風変わったDHに対する考え、大変面白かったと思います。

ラミレス前監督がベイスターズの監督時代に走塁のスペシャリストを置かなかったことも、この考えに基づいてのことなのかなとも考えられます。

現在、三浦監督の下で宮本選手が走塁のスペシャリストとして期待されていますが、セリーグの特性上、宮本選手には走塁だけでなく、打撃や守備も1軍控えレベルまでは欲しいところかなと思います。

 

今回は以上です。