低奪三振率・低与四球率の山崎康晃、砂田、三上は、今シーズンからカウントを取る変化球の割合が増えた
今回は、中継ぎについて書きたいと思います。
中継ぎについては、このブログでは以下のような投稿もしており、今回の内容にも関係する投稿なので、掲載させていただきます。
今シーズンに入って、ベイスターズの中継ぎで復活した投手が3人いると思います。
その3人とは、山崎康晃投手、砂田投手、三上投手です。
この3人にはある共通した特徴があります。
それは、低奪三振率・低与四球率です。
実際にデータを示すと、(6月6日終了時)
山﨑 奪三振率:6.99 与四球率:2.22 K/BB:4.40
砂田 奪三振率:6.95 与四球率:2.45 K/BB:2.83
三上 奪三振率:6.55 与四球率:1.64 K/BB:4.00
三振はあまり奪えていないが、その代わりにフォアボールを与えていない。
この背景には、この3選手がカウントを取る変化球を本格的に投げ始めたということがあると思います。
カウントを取る変化球というと、
砂田の場合、カットボール、
三上の場合、カットボール、
がそれにあたります。
これらカウントを取る変化球の割合が増えたことをデータで示したいと思います。
山崎康晃投手のデータについては、小さなツーシームも大きなツーシームも同じものとして集計されており、少し分かりづらいので、
砂田投手と三上投手のデータを取り上げたいと思います。
上記のサイトを参考にすると、
砂田のカットボールの割合は、5.71%(2020)→10.65%(2021)、
三上のカットボールの割合は、6.51%(2020)→11.6%(2021)、
となっています。
カウントを取る変化球の割合が昨年のほぼ2倍となっているのです。
山崎康晃投手に関しては、各種記事に取り上げられている通り、
小さなツーシームを開幕から投げているので、データでは確認できませんが、しっかりとカウントを取る変化球の割合は高くなっていると思います。
次に、カウントを取る変化球の割合が増えたことと、低奪三振率・低与四球率との関係性ですが、
カウントを取る変化球でどんどんストライクゾーンで勝負することで、打者との決着が早くつくようになるので、低奪三振率・低与四球率になったのではないかと思います。
上のこのブログの過去の投稿では、2020年シーズンにベイスターズ中継ぎ陣の間で空振りを奪える2種類の変化球を投げる傾向が出てきたということを書いたのですが、
今シーズンに入って、カウントを取る変化球を投げるという新たな傾向が、ベイスターズ中継ぎ陣の間で出てきているのかなと思います。
また、上の過去の投稿では、
2種類の空振りを奪える変化球を投げる三嶋、石田、国吉、平田、伊勢、砂田、三上が活躍し、
空振りを奪える変化球を1球種しか投げれない山崎康晃、パットンが活躍できなくなっている、
ということを書いたのですが、
今シーズンに入って、昨年と投球スタイルが変わらない石田、国吉、平田、伊勢はかなり苦しい投球が続いていて、
逆に投球スタイルを変えた山崎康晃、砂田、三上が復活しており、その様子はかなり興味深いと思います。
毎年1流のプロ野球選手は変化を目指してオフを過ごしていますが、常に変化をしていないと取り残される、そのような世界がプロ野球の世界であるということを改めて実感しました。
今回は以上です。