国吉放出、有吉獲得から見えるベイスターズの方向性
みなさん、こんにちは。
今回、本当は前回の投稿で示した投球数を使って分析を行う投稿にしたかったのですが、最近あまり時間が取れなかった関係で少し延期とさせていただきます。
そして今回は、国吉選手のトレードを題材とさせていただきたいと思います。
先日6月14日に国吉選手と、ロッテの有吉選手の間で交換トレードが決まりました。
国吉選手と言えば、1週間前の西武戦でも登板しており、いきなりのトレードに驚かさた方も多いと思います。
国吉選手は、昨シーズンまでは勝ちパターンでの登板も多く、ブルペンの中心的存在であったと思います。
しかし今シーズン与えられた役割は、先発がノックアウト寸前になった時に投げる第二先発のような役割でした。
以上の投稿に示した通り、国吉選手は勝ちパターンでなくても、第二先発としての登板でチームを勝利に導くことが多く、そしてその第二先発がベイスターズの投手起用のキーになっていたと思います。
しかし一方で第二先発の役割を担うことで国吉選手個人の成績が悪化した側面があって、
上の投稿に示した通り、第二先発として多くの打者を相手していくと、必ず苦手な打者にあたってしまい、その打者との対戦を強いられることから成績悪化が起こったように思います。
今年の国吉選手の成績は、
防御率5.16 奪三振率11.22 与四球率3.94 被打率.224
です。
高奪三振率・高与四球率の特徴はさることながら、
この奪三振率と被打率を考えると、この防御率は考え難く、実力以上に成績が悪くなってしまっていることが分かると思います。
この成績の伸び悩みがトレードの要因の1つだったのかなと思います。
これはロッテ側が国吉選手を欲しがった理由にあたります。
では一方で、なぜベイスターズ側が国吉選手の放出を許したのか、
それは国吉選手の与四球率が高いという理由と、第二先発を基本戦術としてしまっている現状を変えたかったということがあると思います。
以上の記事から引用すると、
「試合を作れる先発投手だということ。それから四球の数が極めて少ないという中で、いわゆるゾーン内できっちりと勝負をしながら打ち取っていく投手であると聞いています。先発投手というところがチームのウィークポイントでありますので。そういうところを兼ね合わせて獲得させていただきました」
これは、三原球団代表の有吉選手への評価ですが、
重要な点は、四球の少なさとゾーン内で勝負できるという点です。
与四球率が高く、ボールゾーンで空振りを奪う変化球を多用する国吉選手を放出し、四球が少なく、ストライクゾーンで勝負する有吉選手を獲得する、
投手には四球が少なく、ストライクゾーンで勝負して欲しいというベイスターズの球団としての方針がここに如実に表れていると思います。
そして有吉選手が先発投手であることも重要な点であると思います。
第二先発のような使われ方をしていた国吉選手を放出し、先発投手の有吉選手を獲得する、
ここには球団として第二先発を基本戦術としている現在のチームに疑問を投げかける、そんな意味合いがあると思います。
第二先発としてであっても、チームの主力として1週間前まで投げていた投手を放出することには、それなりの意味があると思います。
もしかしたら、これから三浦ベイスターズの采配がまた変わっていくのかもしれません。
第二先発要員としては、国吉選手の他にも石田選手や櫻井選手などいるので、急に第二先発がなくなってしまうことはないと思いますが、
中長期的に第二先発に頼らない先発陣の構築を目指していこうという球団の方向性は、このトレードを通して見えてくると思います。
そしてそこに三浦監督が目指す、先発に長い回を投げて欲しいという考えが絡んできている、そのように思います。
国吉選手の放出で、悲しむファンの方も多いと思いますが、
個人的には第二先発の采配を根底から覆す出来事だったので、これから采配がどのように変わっていくのだろうという、好奇心にも似た気持ちでいます。
案外、采配も今まで通りになる可能性もありますが、もしかしたら一転するかもしれない、そのような気持ちでいます。
どうなるのでしょうか、シーズン再開が楽しみです。
今回は以上です。